DC-DCコンバータは、直流電源の電圧や電流を用途に応じて変換し接続する負荷に最適な状態で供給するための装置です。
例えば、バッテリーやアダプターなどから取り出した目的と異なる電圧を、電子機器が必要とする安定した電圧・電流に変換できます。
HW-140は、このDC-DCコンバータに分類される製品で、昇圧・降圧の両方に対応し、さらに定電圧(CV)モードと定電流(CC)モードを搭載しています。これにより、LEDやモーターなど電流に敏感な機器を安全に動作させることが可能です。
HW-140の概要と各部の機能
HW-140は、昇降圧機能とCC(定電流)・CV(定電圧)モードを搭載した多機能DC-DCコンバータです。LED駆動から小型モーターの制御、実験用の安定化電源としての利用まで幅広く対応できるのが大きな特徴です。
一般的なDC-DCコンバータは昇圧専用や降圧専用が多く、電流制限機能を持たないモデルも多いのですが、HW-140は昇圧・降圧の両方が可能で、さらに電流制限を設定できるため、負荷を壊さず安全に動作させることができます。
本体を正面に置くと、大きなコンデンサ側が上、LCD表示側が下になります。左側の端子が入力電源用、右側が出力用です。右の「ON/OFF」ボタンを短押しすると出力の入切、長押しすると電源投入時の自動ON/手動ONの動作モードを切り替えられます。
もう一つの「IN/OUT」ボタンは短押しでLCD表示を入力電圧と出力電圧の切り替え、長押しで下段表示を出力電流または出力電力に切り替え可能です(下段は出力表示のみ)。
この電圧・電流・出力電力をリアルタイムで確認でき機能が初心者から上級者まで安心して使えるHW-140の優れた機能です。
HW-140の基本仕様
販売サイトなどに記載されているHW-140の基本仕様は次の通りです。
入力電圧範囲 | 5.5V〜30V |
---|---|
出力電圧範囲 | 0.5V〜30V |
最大出力電流 | 連続3A程度 |
最大出力電力 | 35W |
電圧調整 | 昇圧・降圧両対応 |
電圧電流制限 | CC(定電流)・CV(定電圧)モード搭載 |
ディスプレイ表示 | 電圧(V)、電流(A)、電力(W) |
数値はメーカー仕様ですが、実際の運用では放熱や負荷条件によって限界値が変わります。長時間使用時は連続2〜2.5A程度に抑えることで発熱を防ぎ寿命を延ばすことができます。
HW-140の特長とメリット

右側の可変抵抗器で電圧を調整
HW-140は、DIY愛好家から電子工作の上級者まで幅広く支持される多機能DC-DCコンバータです。
その最大の魅力は、単に電圧を変換するだけでなく電流制限機能を活かした安全な実験や機器駆動が可能な点にあります。
特に定電流(CC)機能を備えているため、電流の急変に弱いLEDやバッテリーといったデバイスを保護しながら使用できます。
- 昇圧・降圧の両方に対応するため、入力電圧が変動しても安定した出力が得られる
- CC(定電流)機能でLEDやモーターを安全に駆動可能
- 小型・軽量で電子工作や実験に組み込みやすい
- ディスプレイで動作状況をリアルタイムに確認できる
- 入力側と出力側の両方に保護回路(過電流保護・短絡保護など)を搭載
特にLEDやリチウムイオン電池の充電実験など電流制限が必須の用途で威力を発揮します。
例えば高輝度LEDを点灯させる際には、定格電流を超えないようにCC機能を利用すれば過熱や破損のリスクを大幅に軽減できます。
また、昇圧・降圧の柔軟性により入力が12VバッテリーでもUSB電源でも、目的の電圧に正確に合わせられるのが大きな利点です。
安全に使うための注意点

バッテリー充電の使用例
HW-140は多機能で便利なDC-DCコンバータですが、安全に使用するためにはいくつかの重要なポイントがあります。
特にCC(定電流)機能を使う場合や高負荷で運用する場合は、誤った設定や接続による破損を防ぐための準備が欠かせません。以下の項目に気を付ければ、機器や接続する負荷を長寿命で安心して使うことができます。
- 高温注意:高負荷時はヒートシンクやファンを併用する
- CCモードの設定は必ずダミー負荷で行う
- 入力・出力の極性を間違えないようにする
- 許容電力(35W)を超えないようにする
これらのほか、販売サイトに記されている注意事項を確認の上安全に注意して使用する必要があります。
また、CC設定などで使用するダミー負荷に使用する抵抗器は発熱するため、金属筐体タイプやセメント抵抗を使い、やけど防止にも注意しましょう。
まとめ
HW-140は、電子工作や実験において「安全に電源を供給する」という点で非常に優秀なDC-DCコンバータです。
昇圧・降圧に対応し、さらにCC・CV両モードを持つことで、LEDやバッテリーなど電流に敏感な機器も安心して扱えます。
HW-140の購入について

HW-140の型番表示
ここで紹介しているHW-140は基盤に型番の記載がありますが、販売サイトでHW-140という型番を積極的に商品名として提示しているショップは少ないです。
また、販売サイトによってはHW-140と仕様が似ている「Zk-SJVA-4X」の画像を掲載していて、注文するとHW-140が届いたりして、両モデルの関係性(どちらかがクローン?)は今一つ分かっていません。
どちらが、届いても基本仕様に違いはありませんが、一部の拡張機能などが差別化されていることがあるので型番までHW-140を指定して購入したい場合は予め販売サイトに問い合わせる必要があるかと思います。
おすすめの記事