冬の朝リモコンエンジンスターターを使用することで車内の温度はどう変化するのか

助手席の背もたれに温度データロガー

車の中の温度が零度近くになる真冬の朝、乗車前にリモコンエンジンスターターを使ってエンジンを始動することで車内の温度はどのように変化するのか、市販の温度ロガーで調べてみることにしました。

測定する車は軽自動車の「N-ONE」です。

温度ロガーを使った車内温度の計測

車内温度の測定に使用する機器は、単体で動作が可能な小型の温度データロガー「RC-5」。

使用した温度データロガーRC-5

この機器を助手席のシートにぶら下げてエンジン始動時からの温度変化を測定してみることにします。

測定日は1月の下旬、朝の最低気温がー2℃を観測した日の7:00ちょうどにリモコンエンジンスターターでエンジンを始動させることにしました。

温度ログの取得間隔は1分毎に設定し、始動の1時間前までには車のシートに設置しています。

測定できた温度データ

リモコンエンジンスターターでエンジンを始動後15分間アイドリングした状態の温度変化と実際に走り出したあとも計測をつづけてみることにしました。

データロガーで取得した始動時の温度変化

画像が温度ロガーにより取得できたデータを専用のアプリケーションでグラフにしたものです。

車内温度の値と上昇傾向

始動後の温度を補足

朝6時前に車内に機器を設置して、温度データの取得を開始したあと氷点下まで温度が低下しているのが分かります。

最低温度-3.6℃を計測できたあと7:00に車内温度-3.5℃でリモコンエンジンスターターでエンジンを始動。

15分間アイドリングしたあとの温度は1.6℃と温度の上昇は約5℃にとどまります。

その後、車を10分ほど運転し3kmほど離れたコーヒー店まで移動しますが温度の上昇は9.0℃までと緩やかでした。

その後、数分アイドリングをしてからエンジンを停止させてますが、この車を駐車場に止めてからの温度上昇がそれまでと比べると早まっているように見えます。

最終的に12.7℃まで温度が上がったのが確認でき、その後は車を降りてコーヒー店に入り休憩しています。

駐車中は温度の下がり具合は緩やかですが、これも天候による影響が大きいものと考えます。

エンジン始動 -3.5℃
15分経過 1.6℃
10分間運転(約2.5km) 9.0℃
走行後アイドリング 12.7℃

エアコンの設定に対して低めな車内温度

今回、車を走行させてから自宅に戻るまで約1時間ほどの間運転席のパネルに表示された外気温はずっとマイナス温度のままでした。

メーターパネルの外気温度計

走行時に表示された外気温

このことが影響してか、エアコンの設定温度25℃に対しては温度が上がりきるには長い距離を運転しなければなりません。

外気の導入をせず車内の空気を内循環させればもっと効率的に暖房できると思いますが、ガラス面が曇りがちになるので冬でもACスイッチをONのままにする必要があります。それほど気にすることでもなく普通の運用方法かもしれませんがガラスの曇り止めのためにコンプレッサーを動かすのは暖かい季節だけにしたいかなとは感じます。

今回の測定では思ったほど温度は上がっていませんが、車の中なら直接の冷たい外気からは遮断される環境ですし徒歩や自転車での移動と比べたら快適なのは明快です。

エンジンスターターを使う効果としても、とりあえず氷点下の寒さから逃れられることを考えれば有効だとも感じます。

ただし、昨今では必要以上のアイドリングは環境への影響から良くないとされているのと、燃料費の高騰などを思慮してもできるだけ使用する場面を少なくしたいのが実際でしょう。私も今回の15分という長さは今季初めてで通常は長くて5分で走り出しています。

よく「ガラス付いた霜が解けるまでは」なんて意見もありますが、エンジンに必要な暖機が済んだらガラスの凍り付きは解氷スプレーを使うことを考えたほうがスマートかもしれません。

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