リビングや寝室などに家庭用エアコンを取り付ける作業はどのような手順で進められるのか。
ここでは、DIYでの取付けを前提に事前の調査や準備などを含め、室内機・室外機の設置、配管の取り付けなど大まかな流れをまとめています。
取り付けたい機種の選定など事前の下調べと準備
段取り八部などという言葉があるようにルームエアコンの取り付けに関しても事前の調査と準備が重要になります。
最初に、取り付けたい部屋の広さや構造に見合った能力や性能、及び欲しい機能が盛り込まれたエアコンの機種を選びます。
取り付けたい機種の絞り込みが済んだら、メーカーサイトからデータシートや仕様表、図面などをダウンロードするなどして室内機や室外機が目的の場所に取り付け可能かどうか調査を行います。
このとき取り付けに必要になる冷媒管やケーブルの長さなども実際に現場を測定して判断します。
室内機を壁のどの辺に取り付けたいかある程度希望があると思いますが、壁の中に柱や鉄骨などがないかなど入念に調べる必要があるでしょう。
室内機を取り付けたい適正な場所に下地になる金属性のプレートを固定できるか、また冷媒管を通すために開けなければならない穴の位置に障害物がないかなど徹底して調べることが要求されます。
場合によってはこの穴があけることができる位置を先に決めから下地の固定方法を考えたほうが良いケースもあるでしょう。
また、取付けたい場所に専用コンセントがあり電圧や容量が選んだ機種に適合しているかも重要になります。
コンセントがない場合は電気工事店に依頼するなどして対応することになります。
必要な工具や機材などを揃える
購入を希望するエアコンが取り付けたい部屋に適合するかの下調べが済んだら、取り付け工事に必要な工具や機材が揃っているかをチェックします。
DIYでのエアコン設置が初めてだとういう方だと、これらの工具類が手元にないケースが多いと思われますので、機器本体の購入に併せて、または先に準備しておくことになるでしょう。
特に、エアコン取付けなど冷媒管の工事に使われる真空ポンプやトルクレンチなど専用工具は取り付ける機種に見合った規格のものを揃えることになります。
また、エアコンの取り付け工事ではほとんどの設置環境で脚立を使うことになると考えられるので忘れずに準備しておきましょう。
エアコン本体と追加資材の購入
工具と機材の購入または手配の見込みが整った段階でエアコン本体を購入手配します。
場合によっては価格が安定している時期に先に購入しておく手もありかもしれません。
そして、本体とあわせて用意したいのが室内機と室外機を接続する冷媒管(ペアコイルなどと呼ばれる)やケーブルなどです。
追加で購入が必要な資材についてはエアコンの施工要領書などに書かれていると思われるので、忘れずにチェックして揃えておきます。
エアコン本体の取付作業
取り付けたいエアコン本体と別売りの資材、取付け作用に使う工具と機材が揃ったらいよいよ取付け作業にかかります。
ここでは全体の大雑把な流れだけの説明になります。詳しくはエアコン本体に付属の工事説明書などを参考にしましょう。
なお、DIYでエアコンを取り付けたいと考える方はお分かりかと思いますが、作業当日に雨が降ってしまった場合ルームエアコンの取り付け作業は推奨されません。
作業中に配管内に水分が入ってしまうとエアコンの性能に悪影響を及ぼすためです。
予定しいる日が雨予報なら思い切って次の休日に変更するなどして対応しましょう。
室内機の取り付け
最初に部屋の壁に室内機を取り付けます。事前の調査に基づいて下地のプレートを固定しドリルを使って配管用の穴を開けます。
穴が開いたらすぐに配管スリーブを入れてしまいましょう。
説明書に従った手順に基づき(配管に保護材を巻くなどしてから)下地のプレート(金具)に室内機を取り付けます。
このとき配管の向きや電源コードの取り回しに無理がないか確認しながら進めます。
室内機の正面から見て左側から配管を通す場合、先に冷媒管を壁に通しておかなければならないなど若干作業が複雑になるかもしれません。
冷媒管とケーブルの取り回し
室内機の取り付けが済んだら作業場所を屋外に移します。
最近では外壁に冷媒管を固定する際に化粧カバーが使われることが多いので、この化粧カバーの壁側に当たる部分をこの段階で先に取り付けておいた方が作業性が良いかと思います。
壁に室内機を取り付ける際に外側へ出した配管に冷媒管を接続してトルクレンチで締め付けます。
室内機側への接続が済んだら、配管にテープを巻く工程まで済ませてしまって良いでしょう。室内機へ接続するケーブルも同じく形を整えながらテープで固定しておきます。
続いて予定していた場所へ室内機を置き別売りの台座などを取り付けます。
ここまでの工程より先に室外機を置いてしまうと配管の取り付けの邪魔になることがあります。
室外機への接続
室外機設置が済んだら冷媒管を適正な長さにカットし先端をフレア加工します。この作業は技術の習得を伴うのでDIYなら予め長さが適正なペアコイル(冷媒管)が準備できフレア加工は省略できるのが理想的です。
2本の冷媒管をそれぞれ室外機へ接続して専用のルクレンチを使い締め付けます。
つづいて、同じく室内から這わせてきたケーブルを長さが適正になるようカットし先端を処理してから室内機の端子に接続します。
真空引き(テスト)の実施と試運転
ここまでの作業が済んだら、室内機のサービスポートへコントロールバルブを介してゲージマニホールドを取り付け真空ポンプを運転して真空引きをします。
真空引き後にポンプを止めてから施工説明書などを参考に一定の時間機密テストを行ってから真空漏れがないことを確認してコントロールバルブを取り外します。
最後に2か所のバルブを開いて室内機へガスを通し試運転を実施します。
室内機側のリモコンでエアコンを運転し冷風(冷房時)が確認出来たら完了です。
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