路上などで現金などの拾得物を届け出た人には報労金を受け取る権利があるというのはみなさんご存じのことでしょう。
今回は、その「お礼金」の権利を放棄せず主張してみた話です。
徒歩やバイクなどで出かけることが多いせいか、他の人より拾いものをする機会が多いような気がしていましたが、他人の財布を拾ったのは今回が初めてでした。
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現金が入った財布を拾う
とある休日、私用で出かけた私は目的地に着く途中に路上で財布の落し物を見つけ、そのまま警察署へ届けることになりました。
ことが他人の財産の話ですので、あまり詳しいことを書けませんが財布の中身は自分のそれの中身と格差がなく、このことが自分は中流階級に近い人間なんだと安心でる事案であったことは間違いない・・。と表現すればお分かりいただけるでしょうか。
拾得者が主張できる権利
この話で重要なのは拾ったものが財布で、落とし主だけでなく自分にとっても価値がある物だという事です。
いままで何度か拾いものを届けていますが、他人の車検証や携帯電話などは拾っても自分には価値がなく、お礼をくれと言えるものではありませんでした。
それが、今回は現金が入った財布です。
調べればすぐ分かるとおり、拾得者には「報労金、届け出に係った費用、所有権などを主張できる権利」が発生するそうです。
担当の警察官からの話の内容から、はっきりとは言いませんが拾得物が(サラリーマン所有する程度の)財布である場合は、これらの権利を主張するケースは少ないようです。
報労金が貰える権利を主張することに
主張するケースが少ないといえど、この機会を逃せばおそらく自分には拾得物に対しての報労金を受け取る権利というのは、この先いっさい発生しないことでしょう。
私の出した答えは、「話の種に権利を主張してみます」でした。
ふざけたような話ですが半分以上は事実です。
今回、権利を放棄すれば報労金はどのように受け取る物なのか、貰える額は法令で定められた範囲内U(5~20%)にとどまるものなのか何も分かりません。
ただし、権利を主張しても警察側は「報労金の交渉」に関しては一切立ち入れないとのことでした。
少しの金品なら拾得者の多くが放棄してしまうのはこのためでしょう。
なお、最終的に落とし主が現れない場合に警察からは連絡なしなので、期限が来たら拾得者から確認の電話を警察署へ入れて欲しいとのことです。
落とし主が見つかれば本人から電話が来ますが、ここも権利主張に係る部分でしょう。
担当の警察官から、○○さんは報労金等の権利を主張されるので落とし主が見つかった場合に、その方から報労金についての話ができるよう「電話番号を相手に教えてもいいですか?」と確認されます。
権利を主張する場合、ここで拒むことはできません。
報労金を望むか権利を放棄するかの大きな決め手はここにあるといっても良いでしょう。
かくして私も落とし主に連絡先を告げることを承諾し、書類の控えを受け取って警察署を後にすることにしました。
落とし主から頂いたお礼
警察署に財布を届けてから1週間ほど経ったころ私の携帯に見知らぬ番号から電話が入りました。
日頃あかの他人から電話が入ることはまずないので、多分落とし主からだろうと想像はつくので、落ち着いて電話に出てみると相手はやや緊張した様子の大人の男性。
「お礼をしたいので、どちらまで伺えば良いか」という内容でしたので、私の職場の近くまで来ていただけるか話し了承して頂いたところで通話を終了しました。
当日の内に、職場の近くまで足を運んでいただきお礼の挨拶とともに拾得物の中身に十分見合う程度の額の「商品券」をいただきました。
それほど高額ではないものの、拾った物なりの対価を頂戴したということになります。
落とし主の男性は大変温厚な方で、正直なところ実際にお会いするまではどんな人なのか不安もありましたが、心配が必要なクセのある方ではなかったので一安心です。
正直、報労金の権利を主張したことに対して相手がどう思うのか想像できないという点が一番気になっていましたが、落とし主の方には届けていただいて感謝していますといった主旨のご挨拶をいただきました。
権利は放棄するものなのか?
今回、拾得物を届け出たことによって発生した報労金を受け取る権利ですが、これを主張することにあまり迷いはありませんでした。
しかし、通常なら財布の中の金額がよほどの大金でもない限り放棄するものなのかもしれません。
もし、財布に身分などが想像できるようなもの「学生証」や「障害者であることがわかるもの」が入っていたら、これは当然に放棄すべき事象になることでしょう。
一番迷うのが、普通のお父さんが持っている小遣いよりも少しばかり多めの現金が入っていた場合などでしょう。
報労金の割合を考えたら自分にもそれなりの利益になってしまいそうだというときです。これはその場で判断するしかありません。
逆にこの場合は間違いなく権利を主張しておいたほうが良いパターンというのは、高額の現金は当たり前ですが財産的価値のあるような高級時計などの場合でしょう。
判断の基準をどこに設けるかといえば、極端な話、拾得者が代理人を雇ってまで権利を主張しても利益がでるほどの金品というところでしょうか。
今回のことで自分が深く考えてみて出した結論です。
そうした意味で、このたびの拾得物を届けた出来事は自分に「権利を放棄すべきか否か」の知識をもたらしてくれたことが一番の収穫と言えるでしょう。
収穫と表現してしまうと下世話な話に聞こえますが、身の回りに起こったささやかな出来事によって得たプラスの知識ですのでご了承ください。