N-ONEでエアコンの吹き出し口が切り替わらない不具合を修理解決

上側がモードモータ

ホンダのN-ONEやN-BOXなど、初期のNシリーズでは経年によりエアコンのモードモータに不具合が出るケースがあるようです。

当方が所有しているN-ONEでも春頃からエアコンの操作パネルにある吹き出し口の切り替えボタンを押しても、吹き出し場所がまったく切り替わらない状態だったのでグローブボックス奥にはるモードモータを取り出して修理を試みることにしました。

不具合の原因であるモードモータ

動作不良を起こしていると考えられるモードモータは助手席のグローブボックスを取り外すと見える場所にあります。

上側がモードモータ

2つあるモーターのうち上側を外す

緑のコネクタが2か所に差し込まれてますが、このうちの上側がモードモータです。この上側のコネクターを先に外してしまいます。

2本の固定ネジ

固定ネジが回しづらい場所にある

部品の場所は確認できたものの、このモーターユニットを取り外すには上下2か所に固定されているネジを狭いスペースで回して取り外さなければなりません。

ラチェット式のドライバーを使ってしばらく格闘してみましたが、狭すぎて作業性が悪いのとドライバーも手持ちのものではネジが回りそうにありません。

グローブボックスを外すだけでは、N-ONEではN-BOXより縦の開口スペースが確保できないのではとの疑問が残ります。

そこで、さらにロアカバーを取り外して工具も新しいドライバーを購入することにしました。

助手席側のロアカバーを外す

整備マニュアルによれば、助手席側のロアカバーを取り外すにはセンターロアカバーを先に外して運転席側ロアカバーを外すという手順を踏まなけれならないようです。

なお、モードモータの取り外しは本来なら隣の白いブロアユニットまで外して行うのが正解。

ディーラーだと先にテスターや専用の機器で「本当にモーターの不良かあるいは別なパーツの故障か」を診断をしてからになるでしょう。

重なっている運転席側

ここにあるネジを外さないと助手席側が取れない

今回は手順を省略して、センターロアカバーを外した後に運転席側はシフトノブの下にあたる部分だけを引き抜いて(割れ注意!)助手席側ロアカバーの固定ネジを外して対処することにしました。

露出している金属部に注意

これで、作業スペースを広く確保できましたが赤で囲んだ部分は角ばった金属が露出するのでケガをしないよう気をつけなければなりません。

モードモータの取り外し

サービスマニュアルでは、モーターを取り外す際はモード位置をVENT(上からの送風)に設定するようにとの指定がありますが、壊れて動かない状態では調整ができないこともあるのではと思います。

今回は幸いにもVENTの位置で不動状態になっているのでそのまま作業を進めることに。

上側に差し込んだ薄型ドライバー

薄型ドライバーで上側のネジへアクセス

新しく用意した薄型のラチェット式ドライバーを使って上下2本のネジを外していきます。

下側は奥で固定されている

下側のネジは奥のほう

薄型なので簡単に回せるかと思っていましたが、今度はドライバーのビットが短すぎて本体部分が干渉するため回し始めは別な長めのビットを使い、ある程度緩んできたら付属の短いビットに付け替えるといった手順が要りました。

モードモータの可動部

可動部側は汚れが目立つ

手間と時間をかけてようやく取り出せた画像のモードモータは可動部に劣化したグリスによる汚れが目立ちます。

取り外したモードモータ79140-TY0-941

モードモータのサービスマニュアル上の型番は79140-TY0-941ですが、型番は79140-TY0-942に更新されている(要確認)との情報があります。

取り外しができたところで、外していたコネクタを差し込んでからエンジンを始動し切り替えの操作ボタンを押してみますが動作はしませんでした。

本来なら、新しい部品を発注して交換ですが今回は例外的にこのモーターユニットを分解してメンテナンスしています。

動作不良を起こしたエアコン用モードモータの分解清掃

モードモータの取り付け

新しいモードモータの取り付けは取り外しと逆の手順で行います。

取り付け時にはラチェット式ではない別な薄型ドライバーを使ってみましたが、なんとか元通りに戻すことができました。

上のネジを取り付け

取り付けはミニドライバーを使ってみる

上側は何を使ってもやはり作業性が良くありません。ネジの頭を痛めるリスクはありますが小さめの細いドライバーならブロアユニットの端を避けることができるかもしれません。

コネクタも元通りに差し込んでエンジンをスタートさせ動作をチェックしてみると吹き出し口がすべてのモードへ切り替え可能なことを確認できています。

これで、元通り外気温や天候などに見合った条件にあわせて吹き出し口の調整ができるよう改善されました。

今回の作業の課題となったのは狭い場所での作業性の向上でしたが、新しく用意した薄型のドライバーもビットを別なものに交換しなければならず万能なものでありませんでした。

試用したドライバーとビット

柄が緑色のものが薄型ドライバー

取り外し時に使ったのは左側の薄型ドライバーで横にある長めのビットは、もともと持っていた別なラチェット式ドライバーに付属していたものです。

このドライバーはラチェット機構が少し固めで緩める方向へ回しても逆回転に戻す際にネジが締まったりと微妙な使い心地でしたが別な製品だと角度が付いていたりで対応が難しかったかもしれません。

また、作業に当たってロアカバーを取り外していますが、これは当初想定していなかった工程でDIYの域には収まらない内容だったかもというのが正直な感想です。

メンテナンス後の確認動画

外したモーターの分解清掃