自分で車の整備を行った後に達成感を実感しやすい整備内容としておススメなのはエンジンオイルとバッテリーの交換作業です。
どちらも車の基本構造や注意点が分かれば割と簡単にできてしまう内容です。
さらに車に対する思い入れに見合った作業後の充実感を期待するなら、手組みによるタイヤ交換に挑戦しても良いかもしれません。
エンジンオイルとバッテリーの交換
自分で車の整備をする上で、エンジンオイルとバッテリーのメンテナンスから手を付けるのが基本だと言ったら、人によってはありきたりに聞こえて魅力を感じないこともありそうです。
しかし、技術を習得しならが整備できる範囲を広めていく過程で、このエンジンオイルとバッテリーの交換は外せない部分と捉えたほうが無難なことでもあります。
DIY整備の基本「エンジンオイルの交換」
車のエンジンを良好な状態に維持するには、走行距離などを目安にエンジンオイルを定期的に交換することが一般的に推奨されています。
何か特別な整備を行うとき、例えばトランスミッションオイルを交換するといった場合に、何度かエンジンオイルを交換した経験があるのと、エンジンのメンテナンスを一切経験したことがない状態からトランスミッションの整備をするのでは、もちろん経験があったほうが整備内容を的確に済ませることができるでしょう。
日頃からエンジンオイル関連のメンテナンスを完璧にこなしておけば、エンジンのドレンパンや上部にあるオイルの注ぎ口からシリンダーブロックや関連する構成パーツの位置関係は掴みやすくなります。
簡単に言うと、基本を押さえたうえで知識の幅を広げていく、エンジンオイルの交換作業はそんな手段の一つになり得るでしょう。
劣化や消耗により交換を要するバッテリー
マイカーを所有している方の中には、休日にしか車を動かさないという方も一定数いらっしゃることでしょう。
そこでよく聞く話が、「車に乗らないとバッテリーが上がる」という話。
車を大切に保管しているだけではバッテリーが消耗し、完全に放電してしまうと充電できなくなって買い替えが必要だなんてことも聞きます。
こうしたバッテリー上がりの対策には乗らないときにマイナス端子を外しておく方法があります。
車関連の情報を発信している専門サイトでは、1週間に1度は車を動かしましょうなどと案内されていますが、環境問題を考えればこの手の対策はやがて変更を迫られることが推測できます。
乗らない期間が続くと、車を動かしたい場面にエンジンがかからないという深刻な問題に直面しますが、どの程度の放置で性能に影響がでてしまうかを予め予測し、緊急な対策としては充電器を準備するなどが理想的とも言えるでしょう。
ただし、充電対応したところで回復が困難なほど放電しきってしまったという事態は避けたいので、そうしたときのために日頃から車のバッテリーへも愛着を持ち、バッテリーの脱着などの扱いに慣れておくといった整備面での心がけも大切です。
難しいですが、自分が所有している車種だとバッテリーの持ち具合や充電が必要になるタイミングなど目安を感覚的に覚えることができれば安心に繋がるでしょう。
そうした意味からも、バッテリーの交換を販売店やカーショップまかせにせず自分で対応するのはDIY整備の一つのメリットであると言えます。
また、バッテリーのメンテナンスに拘ることは電装関連の知識を広げるきっかけにもなるでしょう。
例えば、自分の車へETCやドライブレコーダーを取り付けるとき既存の電源(シガーライター)ソケットが取り付け済みのアクセサリーで埋まっていたら新たに電源が必要があります。
こうした電装系に手を加える作業の時はバッテリーのマイナス端子を外してから行うのが基本とされていて、そんなときも日頃からバッテリーに対するメンテナンス意識をもっていれば、臆することなく目的の作業手順を踏むことができ、テスターの取り扱いなどの上達も期待できるでしょう。
難易度が高いタイヤの組み換え
上で述べたエンジンオイルとバッテリーに関する2つ整備内容は、基本を守ればリスクが少ないという意味では満足度と成果でバランスがとれたDIY整備の限界とも言えそうです。
それでは、ありきたりで物足りないといった方にお勧めなのは手組によるタイヤの交換です。
オイル交換などの作業に比べ難易度が高く、場合によってはケガなどのリスクを伴うため全ての方にお勧めできる整備ではありませんが、消耗品であるタイヤをカーショップなどに任せることなく交換できれば愛車に対する整備の姿勢がガラリと変わることになります。
このタイヤ交換の作業は注意点があるのと、ちょっとした知識と技術が要るので簡単ではありませんが、ブレーキ関連の整備など比べればそれほど専門性は求められないと思って良いでしょう。
扱うのは大きく重いゴムです。そのほかには中にチューブが入っていないだけでゴム製のパーツだという点では自転車のタイヤと基本構造はほぼ同じとイメージできます。
自動車を維持していく上でタイヤは走行距離や使用年数によって劣化や消耗が進む消耗品で、交換時にかかる費用がオイルやバッテリーより高めです。
交換の際には、ディーラーやカーショップに出向いて自分の車に合うサイズを元にブランドやモデルを選択して、店に交換の作業を依頼することになります。
もともと高価なタイヤ代の他に工賃がかかるのと、作業が終わるまでの待ち時間や、土日など込み合っている場合は事前に予約が必用なこともあるでしょう。
その点、手組によりタイヤの交換が自分で出来るようになると、事前の予約や待ち時間は発生せず、ネットでの購入ならタイヤの銘柄も選べる範囲が広がります。
ただし、タイヤを組み上げた後のバランス用のウエイトまで自分で取り付けるとなると、その部分だけはカーショップやガソリンスタンドなどへ持ち込んで頼んでしまった方が設備投資とコスパのバランスも丁度良い感じで整うのではと思います。
車のタイヤは、消耗品とはいえど常に路面と接していて、車の安定した走行には欠かせない重要な部分です。
そして、エンジンオイルやバッテリーと違い整備が行き届いているかが外観から目に見えて判るパーツでもあります。
手組により、ホイールとの脱着を行うには揃えなければならない専用工具があるほか、ある程度の腕力(体力)が要求されることから簡単ではないため専門店に作業を依頼するのが普通です。
そんななか、拘りをもって自分でタイヤ交換をするようになると、タイヤという特に目に見える部分に自ら手をつけることで整備を自分ですませたことの充実感や達成感がより強く実感できるものになるでしょう。
また、逆の視点で言うと自分の車で細かな整備に数多く取り組んだところで目に見えない隠れた部位にばかり手を出すことになり、チリツモ的な効果もなかなか感じにくいことがあります。
ならば、エンジン関連の整備に網羅的に取り組んでみようとしても、より深く踏み込んだ専門的な技能が要求されることになり、DIYによる整備では上手くいかないケースも増えてきます。
そうなると、タイヤ交換についてだけは徹底して行えるよう知識と技術を習得することに専念したほうが車を自分で整備できている自信にも繋げることができそうです。
エンジンの性能維持に欠かせないオイル管理と常に安定した始動を継続させるバッテリーの維持に加え、走行性能や車の外見へも影響が大きいタイヤといった3点に的を絞った整備に重点を置くことで、日常的に済ませておきたい車の整備の理想がよりイメージしやすくなることでしょう。
おすすめ記事