水に浸かったUSBメモリは使えるか

水に浸かったUSBメモリ

大切なデータを保存したUSBメモリを不注意や事故で水に浸けてしまった経験がある方は少なくないと思います。

本体を完全に水に浸したUSBメモリはデータの読み込みが可能なのでしょうか。

USBメモリの水への耐性というのはどの程度のモノなのか自分で検証してみることにしました。

水に強そうなUSBメモリ

間違えて洗濯してしまったけどPCに刺してみたら使えた例はありそうです。

以前にもこのブログでUSBメモリを洗濯してしまったことの記事を書いていました。

参考:USBメモリを何度か洗濯してしまっている【ネットには使える情報が目立つけど大丈夫?】

今回は、実験的にコップの中の水にUSBメモリを入れてみてその後データの読み取りが可能かどうか検証してみます。

なお、当記事は検証に使用する製品に耐水性があることを証明したり、水濡れ後の動作を保証するものではなく、同じタイプのUSB機器でも水に濡らした場合はPCを含めハードウェアやデータの破損を含め発火などの重大な損害が生じる恐れがあります。

検証対象のUSBメモリ

検証対象に用いるUSBメモリ

USBメモリの裏側

USBメモリの裏側

水没実験に使うUSBメモリには以下の条件に該当するものを選定しました。

  • 端子部が露出していて水に濡れても拭きやすい
  • 厚みがなく内部に水分が入り込む空間が少なそうなもの
  • 大切なデータが入っていない中古品

形としてはあまり一般的でない薄型のものが該当します。
通常のUSB-タイプAのものはPCへの接続部が四角い金属で覆われていますが、このPC側でGNDの回路に繋がる囲いを持たないものが水分を内部に混入するスペースが無く本体も薄く出来ているようです(今回、検証に使用するハードも囲いがありませんが外装が内部回路と絶縁された導体であればケースをマザー側の回路のGNDに接続していることになるようです)。

この特徴を持っているUSBメモリは接続端子に覆いがないので濡れた時にも表面の水分がふき取り安い構造でもあります。

USBメモリを1時間水に浸してみる

水に入れたUSBメモリ

早速、コップに注いだ水にUSBメモリを入れてしまいます。

時間を計測する

スマホを使い時間を計測

目安として1時間水に浸したまま放置しました。
もしUSB機器の本体に隙間が存在する場合、そこからの水が浸入することを想定しコップの底に向けてコツコツとUSBメモリを叩いて刺激してみます。

1時間経過後の水没USB

放置後1時間が経過した水没USBメモリ

ストップウォッチで時間が経過したのを確認した後にコップから取り出します。

ティッシュで水分を拭き取る

表面を3枚重ねの高級ティッシュ(別に安物でも構いませんがせっかくなので…)で軽く拭き上げます。

これで使用できる準備は整いました。

ジャンクパソコンへ接続

さて、水に浸したUSBメモリはパソコンで認識できるのでしょうか?
検証に用いたパソコンはジャンク品で格安に入手したMSIのU123というネットブックです。

検証に用いるジャンクPC

使用したジャンクPC_U123

こうした目的に使用するには間違えても新品のメインPCを持ち出してはいけません。

USBを刺したジャンクPC

USBメモリを差し込む前にバッテリーを取り外し、もしショートした場合には電源プラグをすぐ抜けるよう体制を整えておきました。

表示されたフォルダ内のファイル

PCに接続してみたところ、発煙や発火の症状はなくUSBメモリに保存されたファイルのアイコンが正常に表示されました。

保存していたテキスト文字が表示された

ファイルのテキスト文字についても水から出した後でも正常に表示できているようです。

また、パソコンに刺した状態でも気になるような高温の発熱状態にはなっていません。

この後、表示されたスクリーンショット画像を同じUSBメモリへ保存し再度水に浸した後に別のPCからブログ画像としてアップロードしています。

この形状のものは、やはり水が入りこむ隙間がないのでしょうか同じタイプのものにカード型USBメモリなどもありますが、やはり一度危険を犯して実証してみないとなんとも言えません。

結構水には強いが過信は禁物

当ブログで取り上げているUSBメモリは意外に水に強く動作に問題がないようでした。

しかし、これだけをもってUSBメモリは水に濡れても大丈夫と確信するのは非常に危険です。

一般的な接続部にキャップをハメるタイプのものや、端子部を押し出す機構を持つものなどは明らかに水分が抜けにくく水に濡らしてしまった場合はデータやハードウェアにまでも危険は及びます。

頻繁に持ち歩きたいのがUSBメモリであり、水濡れや水没の危険を100%回避することは困難な物でもあります。


こうした危険を想定しデータをUSB機器で持ち出す際には、メインの端末やサーバーなどにバックアップが存在していることが前提条件と言えるでしょう。