車やバイクの整備のために持っているトルクレンチでエアコンの冷媒管のナットを締めることが出来ないか試してみました。
あまり前例をお見かけしないことから想像できるとおり、結果は難ありでエアコンの冷媒管には専用のトルクレンチを用意すべきという決断に至っています。
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試したのはクロウフットレンチとQL50Nの組合せ
今回試したのは東日のトルクレンチQL50Nとクロウフットレンチの組合せ。
クロウフットレンチは2分3分用(液管とガス管双方)で2つ用意しました。
サイズは17mmと22mmです。
それから、トルクレンチQL50Nの先と冷媒管のパイプが干渉するかもしれないので、別に首振りエクステンションバーというものを用意しています。
これを使えば、配管そのものとの接触は防げそうです。
なお、これらの組合せで上手くいかなかったときのために冷媒管専用のトルクレンチも用意しました。
冷媒管での作業に使ってみる
まず最初に取り掛かったのは脚立の上での締め付け作業、ペアコイルと室内機・室外機への接続は室内機側を先に締め付けたほうが作業性が良いので最初に脚立の上に上がっての作業になります。
この脚立の上でのトルクレンチの扱いが、クロウフットレンチとトルクレンチの組合せではまず安定しませんでした。
作業に取り掛かってみると2分の細い液管はなんとか締め付けられますが、3分の方のガス管は脚立の上では力が入らず諦めてしまいました。
結局ガス管の方は、冷媒管専用のトルクレンチで締め付けを行い室外機側も同じく冷媒管専用を用いることになりました。
少しは期待していたのですが、必要以上に頑張ってもDIYの楽しさが半減してしまします。
エアコンのトルクレンチは専用品を使うべき
今回の検証から、エアコンの設置に汎用トルクレンチを使うには次の課題があることが分かります。
一つ目のトルクの設定は、クロウフットレンチを先端に取り付けることにより、ナットを掴む位置がトルクレンチが本来想定しているよりも延長され、ダイヤルで設定した以上のトルクがかかることになると想定されます。
メーカー側がある程度幅をもってトルクを指定している場合に、その下限値に合わせてトルク値を設定するというやり方も考えましたが、トルク管理はもっと厳密に行う必要があるでしょう。
高所での作業は、実際に検証してみて専用品にかなり劣るのでトルクレンチのほかにスパナなど両方の工具を支えながらの締め付けは困難なように感じました。
これらの課題を解決できずに、何とか規定値で締め付けられたような気はするが・・といったモヤモヤを引きずるより、無難に専用品を用意したほうが良いでしょう。
費用面が気になるようであれば、DIY目的ならレンタル品を使うかフリマアプリで買って、その後に売却でもよいでしょう。
最近ではネットオークションで真空ポンプを含めた一式のレンタルを出品している方などもいらっしゃるようです。
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