JISマーク入りのスタンダードなマイクロメータ【M110-25:ミツトヨ】

標準マイクロメータM110-25

測定器として使われるマイクロメータの信頼性を判断するにあたって、日本製であるかJISマークが入っているかは一般向けには最も分かりやすい指標になるでしょう。

多く市販されているマイクロメータでは、ミツトヨが標準マイクロメータとしてラインナップしているM310-25とM110-25がこの二つの基準に該当しています。

MADE IN JAPANの表記とJISマーク

今回取り上げるマイクロメータはM110-25の方で放熱板が付いていないスタンダードなタイプのモデルになります。

正面から見たM110-25

正面から見たM110-25

M110-25の裏側

裏側

フレームの裏にはJISマークとコードナンバーの103-137

フレームの裏にあるJISマーク

国内の他のメーカー(新潟精機やシンワ測定)でも、ほぼ同じ規格のマイクロメータを販売していますが、これらの一般向けモデルでは国内産であるかの印字やJISマークの表示は見あたりません。

そんなことから、私たち一般の利用者が分かりやすい基準に基づいたマイクロメータを購入するにはM110-25は候補の一つに上げたいモデルだと言えるでしょう。

ただし、今の時代国内で作られた測定器と海外の工場で作られたもので、その工作精度にどれだけの違いがあるのかは我々DIYユーザーにとって判別が難しいのが事実ではないでしょうか。

マイクロメータの信頼性を担保するための指標として、JCSS校正証明書が付属した製品であるかどうかというものがあります。

機械製品を扱う事業者などがマイクロメータを扱う場合、製品にJISマークがあるかどうかよりJCSS校正証明書が付いた測定器であるか(その証明書は新しいものかも含む)のほうが製品を選ぶに当たってはより重要な指標であるとも言えます。

そうした点から、マイクロメータの購入候補としてはその製品にJCSS校正証明書を付けて購入可能かといったことも判断の指標にはできると考えられますが、事業として扱うものでない限り製品選びに手間と時間をかけるのは現実的ではないでしょう。

結果としては、機械的な知識や技術がない人でも無難にマイクロメータを選ぶなら、「MADE IN JAPAN」の表記が確認できるM110-25が適しているようです。

ミツトヨM110-25の主な仕様

ミツトヨの標準マイクロメータM110-25の主な仕様を次の通り。

測定範囲(mm) 0~25
目量(mm) 0.01
測定力(N) 5~10
最大許容誤差:
JMPE(μm)
±2

重さは約161グラム

サイズや重さについて公式サイトでは確認できませんが、全長は約120.4mm、重さは実測で約161g程です。

鋳物調の仕上げはトレンド?

本体は鋳物のように見えますが、表面のカラーが整って見えないのは塗装によるものです。この外見に見られる昔のモデルとの違いは時代のトレンドなのか各メーカーで共通のもののようです。

このフレーム部分の風合いはデジタルマイクロメータのデザインと差別化を計っているようにも感じられます。

上位モデルM310-25と比較

右が放熱板付きのM310-25

また同じアナログのM310-25と並べてみるとフレーム先端の形状やデザインに違いがあるものの大きさ的には、それほど差が見られません。

測定面

M110-25の測定面

測定面に超硬合金チップが使われているのはM310-25と同じ。

スピンドルとラチェットストップ

操作部にあたるスピンドルとラチェットストップ

スピンドルとラチェットストップは上位モデルのM110-25やデジタル仕様のものと同じような外観になっています。

デジタルよりフレームが薄い

オーソドックスなアナログ仕様で、放熱板が付属しないM110-25は従来のマイクロメータらしさを保ったシンプルな構造が持ち味であり特徴といったところでしょう。

放熱板の必要性

ミツトヨのM110-25を上位モデルの標準マイクロメータであるM310-25と比べたときの大きな違いは放熱板が付いていない点にあります。

M110-25のフレーム

放熱板が無いM110-25のフレーム

M310-25の黒い放熱板は、簡単に取り外しが可能な仕組みですがM110-25には放熱板の固定に必要な穴が開いていないので後付けはできない模様です。

測定時に手などから伝わる熱の影響を考慮するなら、専用の台と組み合わせて使うのが理想かもしれませんが、すべての場面で熱対策をしたいのであれば放熱板付きのM310-25を選んでおけば間違いないでしょう。

なお、DIYではそこまでの必要性を見込まないと思いますが、上位モデルを買っておけば工具としての所有感は満たしてくれそうですし、より本格志向に近づきたい気持ちだけは充分満たしてくれることでしょう。

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