経年劣化が進み割と短いスパンで交換が必要な低圧盤の機器に電磁接触器があります。
今回取り上げる東芝製の電磁接触器は生産が終了してから、既にだいぶ年月が経っていて更新には別な製品への交換が必要になります。
スポンサーリンク
東芝電磁接触器C12Aの仕組み
東芝のC12シリーズは、1990年代ごろに施工された設備でよく使われていたと思われる電磁接触器。
画像のものはサーマルリレーと組み合わせで利用されるマグネットスイッチ(電磁開閉器)。
正面からの画像は電磁接触器の小さなオレンジのラベルとサーマルリレーの水色のダイヤルとリセットボタンが特徴でしょう。
※設備の更新の際は実際の負荷設備や回路に適合する製品を選定し、新しい製品に適合するよう配線しなおして取り付ける必要があります。
電磁接触器C12Aの端子
サンプル画像は三相200V用1a1b仕様の電磁接触器C12A。
上下の端子は左側からRSTのメインの配線が通るライン。
右側に並んでいるのが1a1bの端子で、11-12がb接点、23-24がa接点。
コイル電圧も負荷と同じ200Vになっています。
サーマルリレーの端子
サーマルリレー側にある端子は画像の通りですが、一つだけ番号が割り当てられていない謎端子があって、この無名の端子は電磁接触器側のA2端子へと接続されています。
電磁接触器側へ電源を送る配線のためだけにある端子かと思われます。
右下の95にテスターをあててみると通常の運転状態では96と導通があって、過電流によりリレーが動作したときには96とは導通が絶たれ98と繋がる役目を果たしているようです。
入れ替えには事前調査が欠かせない電磁開閉器
今回取り上げた東芝製の電磁接触器は、かなり古いものなのでWeb上にも情報が少なく端子の配列を確認するにも設置されている現場での調査が欠かせません。
機器の更新に当たっては、図面で回路を把握するほかに現場で配線をたどるにも操作電源まで遮断しないと作業に危険が伴うことと、他の機器が動作中であることも多いので長く停電できないケースもあるでしょう。
ここ最近の電磁接触器であれば、メーカーサイトなどで簡単に仕様の確認ができることが多いと思われますが、今回取り上げた世代の機器は見かけることすら稀でしょう。
東芝の電磁接触器に限らず、劣化した古い電気機器に遭遇したら既存の回路を辿り使用する負荷設備に見合ったものを選定し、設備機器への接続は新しい回路を組むつもりで臨むのが最善であるとも言えるでしょう。
電設機器関連