窓用エアコンでコンプレッサーの始動電流を測定してみる

CW-1623Rの始動電流

自宅の一室に窓用エアコンをDIYで設置し使っていますが内部にあるコンプレッサーの始動は直入れ方式が使われているようです。

このコンプレッサーに係る始動電流がどれほどなのか簡易的な方法で調べてみました。

気になる動作音は電磁接触器か?

使っている窓用(ウインドウ)エアコンはコロナのCW-1623Rで定格消費電力は約600Wほどで冷房専用の家庭用エアコンです。

このエアコンは冷房運転時にコンプレッサーが入り切りする度に「ドスン」という音がするのですが、このドスンという音はコンプレッサーそのものではなく電路を開閉するために使われる電磁接触器の音かと思われます。

今時のルームエアコンでは、インバーターが主流になっているのでこうした動作音はしませんが、昔あった業務用の縦置き式のパッケージエアコンなどには制御回路に電磁接触器が使われている物がありました。

コロナCW-1623Rもインバーターが使われている様子がないため、コンプレッサーへの電源の入り切りには電磁接触器が使われているものと思われます。

消費電力の約600Wのほとんどがコンプレッサーの電力消費によるものだとすると、家庭用機器であったとしても発生する始動電流は相当なものになるので内部の基盤に電磁接触器が入っていてもおかしくありません。

そんなわけで、使用している窓用エアコンの始動電流がどれほどの値なのか調べてみることにしました。

コンプレッサーの始動時に発生する電流

始動電流の測定にはデジタル式のクランプ計(負荷電流が計測可能な漏れ電流計)を使うことにします。

漏れ電流計と自作コード

ケーブルの被服を剥いで中の電線を別々に計測できるようにした自作の電源コードに漏れ電流計(レンジをA単位に設定)を設置し負荷電流を測定する形になります。

MEMO

漏れ電流計(クランプリーカー)の一部では負荷電流の測定に対応していない(mA単位でしか測定できない)製品があるので注意が必要です。

添付の動画(再生時に音が出ます)は、コンセントとエアコンの電源コードの間に自作電源コードを入れ電流値を測定しているところです。

リモコンでスイッチを入れた途端にエアコン内部からの動作音とともに瞬時値ではありますが15Aの始動電流が計測できているのが分かります。

15Aの電流が測定できたのは数回測定を繰り返したうちの1度だけで、ほかは9Aや13Aなど数値がまちまちでした。

単相100Vで動作する電動機の始動電流については、情報が少なく詳しいことが分かりませんが今回の15Aという値は約600Wのモーター負荷で計測される始動電流としては低いようにも感じます。

始動電流が正確に測定できていないか、単純な直入れ始動ではなく何か技術的な対策が取られていることも考えられるでしょう。

いずれにしても、音の発生と同時に瞬時的に高い電流値が発生しているのは間違いないようで、エアコン運転中に生じる「ドスン」という音の正体はやはり電磁接触器もしくは同等の開閉器によるものと推測します。

なお、室温が安定してくると運転中はコンプレッサーの入り切りが繰り返されますがコンプレッサーが動いていない間はエアコンで使われる電流値は定格である5~6Aよりずっと低い値に収まっていました。

今回使用したエアコンCW-1623Rは、運転制御をこの「ほぼ直入れ」からインバーターに変更すれば不快な音がなくなることでしょう。

そうした仕様変更によりエアコン本体のサイズや重量にどんな影響があるのか分かりませんが、この手の窓用エアコンに求められるメリットが低価格にあるのだとすれば現状維持もやむを得ないのかもしれません。

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