リアブレーキの整備時にスプリングの取付け位置と仕組みをチェック

アジャスタレバーとロッドの位置

N-ONEのリアブレーキを整備するタイミングで、ブレーキシューやスプリングなどパーツの構成や取付位置を画像で記録しておくことにしました。

年式や走行距離からホイールシリンダーの状態が気になるため、ブレーキシューを取り外してその辺のメンテナンスを行ったあと元通りに組み付けることにします。

なお、ブレーキ周りは車を安全に走行させるために重要な部分ですので、メンテナンスは信頼できる販売店の整備士などに依頼しましょう。

ドラムブレーキのスプリング位置と向きを確認

N-ONEのリアドラムブレーキに使われているスプリングには、上下にあるリターン用が2本と自動調整機構に使われる1本で、全部で3種類のスプリングが使われています。

作業を行う車両はJG1で主に右後輪側のブレーキを対象にします。

スプリングA右側

スプリングの巻き数が少ない方

スプリングA左側

上側のスプリングは巻き数が少ない方が前側に向いていて左右(後前)とも正面側から先端をブレーキシューの穴に掛けています。

アジャスタスプリング上側

アジャスタスプリング上

アジャスタスプリング下側

丸い穴ではなく矢印の穴

調整機構のスプリングは上のほうを内側(ハブの軸側)から金具に掛け、下は正面からシューに引っかけています。

ブレーキスプリングB

一番短い下側のリターン用スプリングは左右(後前)どちらもシューの内側から引っかけてあります。

またメンテナンス時にシューを取り外す際には、この下側から外して、取付時には一番最後にこの下側を取り付けると無理な力をかけずに済みそうな感じです。

コネクティングロッドの向きもチェック

アジャスタレバーとロッドの位置

スプリングのほかにロットの方向は歯車状になっているアジャスタボルトが右側(前方向)。このボルトのネジ山は右ブレーキでは正ネジですが左ブレーキでは逆ネジになっています。

コネクティングロッドの両端の向きも取り外しの時に外側にかかっている部分にマーカーなどで印をつけておっくと組み立てるときに迷わなくて済むでしょう。

ブレーキシューの取り外し

各構成パーツの取り付け位置を画像に残してチェックが済んだら、両側のブレーキシューを固定してる板状のスプリングを取り外します。

クランプスプリングを外す

板状のクランプスプリングを外す

両側の固定ピンを外す

このあと、両方のシューを掴んで下に押し下げてから開く形で手前に引きだすと下側のブレーキスプリングが簡単に外せます。

下側を先に外す

この部分を開いて手前に出す

ここの短いスプリングはペンチやプライヤーなどでも外せますがコツが分からないと力が要ります。

下側のスプリングが外れると全体のテンションが緩むので上側も少し開いただけで簡単にホイールシリンダーから外せますが、このとき扱いになれていないとかなりの高確率でスプリングとロッドを下に落としてしまいます。

パーキングブレーキのワイヤー

最後に残ったパーキングブレーキ用のワイヤーが引っかかっているので外します。

シューを取り外したブレーキ

ここまで進むとプレートにはハブとホイールシリンダーだけが残った状態になります。

ホイールシリンダーのOH

シューが取り外せたらホイールシリンダーのダストブーツをめっくってフルードの漏れがないかチェックします。

ダストシールの内側

今回は、メンテナンス用に新品のホイールシリンダーを用意していたので、カップシールの交換等は省略して、そちらに付属の新品のピストンとゴムパーツごと入れ替えることにしました。

ホイールシリンダーの内側

ピストンとスプリングを取り出したシリンダーの中は錆もなくきれいな状態。このときブレーキペダルを突っ張り棒で押したままにしてフルードの垂れを防いでいます。

新旧スプリングの比較

取り外した古いスプリングと新しいスプリングを並べてみると特に腐食やへたりもないようでした。

ホイールシリンダーにセットしたスプリング

ウエスで中を軽く掃除をしてからスプリングの中に戻してピストンを新しいものに入れ替えます。

ダストシールを元通りにしてから、パートを元通りに取り付けたあとドラムを取り付けエア抜きをしたらブレーキペダルを何度か踏み込んで踏みしろをチェックしてからタイヤを取り付けます。

元通りに組みあがった後輪のドラムブレーキ

エア抜き後に自動調整が開いた状態のブレーキ

今回チェックしたリアブレーキの構成はN-BOXなど初期のNシリーズでは共通と思われますが、N-BOXスラッシュなど電子パーキングブレーキを採用したシリーズでは別なブレーキが使われています。

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