測定範囲が0~25mmのアナログマイクロメータを購入する際に価格的な面からも候補に上げやすいのがシンワ測定の78935。
他のメーカーの製品と比べると低評価されがちな部分がありそうですが実物はどうなのか手に取ってみることにします。
スポンサーリンク
マイクロメータ78935の主な仕様と特徴
シンワ測定のマイクロメータとしては基本モデル的な位置づけかと思われる78935についての主な仕様は次の通り。
本体サイズ | 52×128×20mm |
---|---|
製品質量 | 205g |
測定面の材質 | カーバイド合金 |
器差 | ±0.01mm |
測定範囲 | 0.01~25mm |
最小読取値 | 0.01mm |
最小読み取り値が0.01というのは、このサイズのマイクロメータでは一般的でしょう。
本体の重さが200グラムを超えている点は持ってみた感じでも重さが伝わってきます。それと同じシンワ測定のデジタル製品より重いのは少し気になるかもしれません。
各部の特徴
本体の外観はマイクロメータとしては基本的なスタイルに忠実な作りになっています。
フレーム部分が鋳物調に仕上げてあるのは時代のトレンドなのか、塗装による錆止めの処理しなければならないため各社でこうした表面の仕上げを採用しているのかもしれません。
型番(品番)が印字されているフレームにある黒いプレートは、裏面にも広範囲に貼られているいるので防熱板の役割も期待してのことでしょうか。
シンワの78935はシリアルナンバーがシンプルの部分にあって測定値を0に合わせたときに正面に来るよう書かれています。
参考画像の製品ではシリアルナンバーはTを先頭にほかは数字が並んで横書きになっていますが、公式に掲載されているモデルでは先頭のTは同じですが縦書きになっています。
製造は海外の工場?
工場など生産の現場に携わる方にとってマイクロメータには精度が求められ、ミツトヨなど国内生産された製品を好んで使う傾向があるようです。
その点、シンワ測定の78935ではミツトヨ製のものと違い本体にMade in Japanの表示がありません。シンワ測定では海外に工場があるのでそちらでの製造かもしれません。
ただ、日本製でないからといって最近の精密機械で海外製のものとどれほどの差があるのか、とくに測定単位が0.01mmの測定機器ではそれほど心配する必要はないかと思います。
また、この78935はJCSS校正証明書が付属した製品の購入が可能になっています。業務用として使用する機器ではミツトヨにあるJISマークも魅力ですがJCSS校正証明書が付属する製品のほうが広範囲に測定値の運用ができることでしょう。
ミツトヨの標準モデルとの違い
マイクロメータを選ぶにあたって、現状では国内生産で長い歴史のあるミツトヨ製が評価が高いです。
そこで手元にあるシンワの78935とミツトヨの標準モデルを比べてみて分かりやすい違いを上げてみることします。
比較してみて最初に目につくのはフレームの先端形状、金属製のラチェットストップ、クランプの質感といったところでしょうか。
フレームの先端形状は、比較に用いたミツトヨの標準モデルが上位のものと差別化されているためか丸い形状に仕上げられています。その点シンワの78935では先端を狭い場所にも当てやすく狭めた形状に作られているのがポイントです。
ミツトヨのマイクロメータではラチェットストップの表面にラバー状の素材を用いているのに対し、78935ではオーソドックスな金属素材が使われています。
それから、あまり目立つ部分ではありませんがシンプルの回転を固定するクランプの質感が、78935では黒で形も無骨な感じがします。とはいってもミツトヨのクランプが特にデザイン性に優れていてモダンに見えるわけでないことを考えると無難な形状ではあるでしょう。
シンワのアナログマイクロメータをミツトヨ製と比較してみた際に一番気になるのはサイズ感と重さかと思います。
この二つを並べてみるとシンワの製品のラチェットストップ(ツマミ部分)がわずかに長めです。
重さも、ミツトヨの標準モデルが約161グラムなのに対しシンワの78935は200グラムを超える重さでミツトヨのマイクロメータに使い慣れていると78935を持った時にズッシリ重く感じられます。
とかくミツトヨ製の物と比較されがちなシンワのアナログマイクロメータですが、これらの違いをどうとるかが選ぶ際の重要な要素になりそうです。
マイクロメータ関連
JISマーク入りのスタンダードなマイクロメータ【M110-25:ミツトヨ】 ボタン一つのシンプルな仕様Mitutoyoデジタルマイクロメータ【MDC-25SB 293-821】