一般にベアリングプーラーやギアプーラーといった工具は軸に組み込まれた円盤状の部品を外かけ式の爪を用いて引き抜くような仕組みになっています。
これに対して、パイロットベアリングプーラーという名称で販売されているものは、ホイールやハブなどの中心に組み込まれているベアリングを外すための工具になります。
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工具の構成
打ち抜き式のベアリングプーラーはプーラー本体と多くのサイズに 適合できるよう7種類のチャックと呼ばれる爪付きの疑似シャフトのようなものが付属します。
ケースの蓋の内側には工具を構成するパーツについての仕様が記載されていました。
「TH125」というのがこのベアリングプーラーの型番のようです。
内掛け式の爪(アタッチメント)
目的のベアリングに合うサイズのこの黒い棒をベアリングに差し込み、中にボルトをねじ込んでいくことで先端の爪がベアリングの内側の縁に掛かる仕組み。
このパーツは精度や表面のなどが要求されるためか、メッキや塗装が施されることはなくどのメーカーでも大半が黒です。
本体(フレーム)
正確な呼び名は分かりませんが、巻き上げ用のボルトとナットが仕組まれた本体です。
爪をベアリングに引っかけたチャックに力を加え引き抜く役目をはたすのがこの主要部分。
※工具の下に写っているスジは付着している油による汚れです。
右側にある二つの部品がボルトの長さが足りないときに使うアダプタで、左のものは太めのアタッチメントを使う場合に用いるボルトの先端(アダプタの爪を押し開く役目をするもの)のようです。
画像のように上側のナットを回してボルトを上に動かす作用を用いてアタッチメントで掴んだベアリングを取り出す構造になっています。
パイロットベアリングプーラーの使い方
試しに手元にあるベアリングにアタッチメントを入れてみます。
作業の対象となるものは、ここで開いた爪がちゃんとベアリングを掴んでいるか確認しづらい構造のものが殆どではないかと思われます。
上手くベアリングの奥にアタッチメントを固定できたら、本体のボルトに組み込まれたナットをスパナなどで回していくことでベアリングを引き抜く使い方になりなります。
ベアリングに工具の爪を上手くかけることができるかが作業のポイントです。
また、ハブやホイールなどのベアリングが入った対象物に本体のステーを安定して置けるかどうかも重要です。
軽量化や放熱対策でベアリングが入っている枠の周りに空洞が多い場合はなんらかの対策が必要になってくるのではないでしょうか。
自分はこの工具をバイクのメンテナンス(ホイールベアリング交換)のために持っています。
ちなみに、このタイプより安価なフリーサイズの3本爪タイプも販売されていますが、あまり安定した作業は期待できないようです。
旧車好きの方やエンジンのオーバーホールなどまでこなす方は揃えておきたい工具でしょう。
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