自宅の部屋に取り付けたコロナのウインドウエアコンCW-1623Rを実際に使ってみての感想になります。
DIYによる取付作業の概要については別記事として記載しています。
CW-1623Rは一体型の窓用エアコンなので、部屋の窓へ取付が済めば専用機器を使った真空引きなどの工程を必要とせず直ぐに利用が可能。運転モードは冷房のみで暖房には使えないモデル。
今回はエアコン本体のレビュー記事になりますが、CW-1623Rは窓へ取り付けるタイプの冷房専用エアコンということで、まず運転中の音がどれほどのものなのか気になるところです。
取付直後の感想としては思った以上に音が気になるということでした。ネットのレビューなどは参考にしたつもりでしたが初期不良ではと思わせるほどの音でしたので、そのまま使うわけにもいかず、まずはメーカーへの問い合わせをして症状を説明、その辺の経過も併せて記載しています。
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窓用エアコンCW-1623Rの主な仕様
使用レビューの前に購入したCORONA社製のウインドウエアコンの概要について簡単に説明します。
CW-1623Rは一般の木造住宅では4.5畳からの広さを想定していてエアコンの中では能力が低めの製品ですが、その分コスト的には負担を抑えて冷房機器を設置できるといったメリットがある製品。
取り扱い説明書などに記載されている仕様(50Hzのデータ)は次の通り。
型式 | CW-1623R |
---|---|
電源 | 単相100V |
冷房能力 | 1.4kW |
運転電流 | 6.1A |
消費電力 | 595W |
冷房の目安 | 木造:6㎡ 鉄筋アパート:10㎡ |
運転音 | 室内:51dB 室外:57dB |
総質量 | 21.5kg |
外形寸法 | 高さ750mm×幅335mm×奥行240mm |
付属品 | 標準取付枠、リモコン、乾電池(単4形2本) |
取り付け後に付属のリモコンからテスト運転
CW-1623Rには本体側にも電源ボタンが設けられておりますが、基本的には付属のリモコンを使って電源の入り切りを行うといった使い方になります。
付属のリモコンは、冷房シーズン以外にエアコンを使わない時期には本体の中に収納できる仕組みですが、収納にはフィルターの部分まで覆っているカバーを外すことになります。
窓用エアコンの購入者は取り付けを自分で行う方が少なくないでしょう。今回もエアコンの取付はDIY作業です。
一連の作業が済んだところで、リモコンに電池を入れ試運転を行うことになります。運転開始後は、すぐに内部のコンプレッサーが起動しはじめますが、このときのエアコンから継続して発せられる運転音がちょっと高めどころではない音量と感じます。
想定外に気になる本体の運転音
メーカーを問わず窓用エアコンに共通する特徴としては、一般のコンプレッサーを室外機へ置くタイプのエアコンに比べ運転音が高めであることです。
購入時に参考にした同モデル購入者のレビューからは総合的に判断して買ってよさそうだと感じたのですが、運転音に感じる評価は人それぞれで差が大きく住宅環境によってもどの辺まで許容できるかは個人の判断によることでしょう。
それでも、コロナのCWシリーズのウインドウエアコンは人気機種かつ日本製であることからも製品の信頼度は高いと評価できます。
個人的に購入の判断を後押ししたのは、以前にも窓用タイプのエアコンを使用していた経験があり、令和の時代の製品では運転中の音もかなり軽減されているだろうという期待からでした。
そんな総合的な期待感をもって購入に至ったエアコンCW-1623Rでしたが、最初の試運転で確認した音に落胆をすることになります。
まず、窓用エアコンのデメリットとしてあげられる異音には、コンプレッサーの運転中の振動音と、このコンプレッサーに動き始めたときの「ドンッ」という音と停止時にも同じ「ドンッ」という音があるので、これが気になる人には窓用エアコンを全くオススメできないということになります。
このうちコンプレッサーの運転音は、一般的に「ブォーン」という重低音に分類されるような音。
今回、自分が取り付けた個体が発した音はコンプレッサーの運転音だけでなく、コンプレサーの動作に共鳴して樹脂パーツがうなるような甲高い音が生じている様子です。
あくまでも個人的な評価になりますが、この手の高めの音質が振動音としてエアコンから発せられているのは不良品ではないかと推測されます。
メーカーのサポートダイヤルへ連絡
エアコンが運転中に出す音は、感じ方に個人差があってどの域を越えたらうるさくて、どこまでだったらうるさくないという基準値が明確に分かりません。
私が初期不良ではないかと判断した理由は、10年以上前にも窓用エアコンを使っていたことがあり、そのときの運転音と比べてコンプレッサーの稼働時にでる音の質が全く違うものだったからです。
新しいモデルのエアコンが昔のものより気になる音を出すことは考えにくく、何よりエアコンから発せられる音が通常コンプレッサーが動いたときの重低音っぽい「ブォーン」という音ではなく、内部の振動により樹脂製部品が共鳴して出すような「カタカタ」という音質に近いものでした。
部屋に設置してすぐの試運転でこの音ですので、このまま使い続け部屋の気温が下がったところで音が気になって、その部屋では何もすることができません。
いささか面倒ではあったものの、取扱説明書の裏に記載されていたメーカーのサポートダイヤルに電話してみることにしました。
電話はすぐにつながり、電話口の担当者へエアコンの型番と不具合と思われる音のことを話すと、「サービス担当が自宅に訪問するのでエアコンを見させてほしい」とのこと。
実際に現物で症状を確認しないと何もできないということでしょう。
仕方がないので自分の予定を確認し在宅している日時を伝えると、後日サービスの担当者から連絡をさせるということで、異音の確認をしてもらうまでエアコンの使用はお預けということになりました。(使ってても良かったですが音が気になって使う気になれません)
運転音の動画
サービスマンによる点検と調整
こちら側の都合もあって実際にメーカーの点検サービス担当者がエアコンを見に来たのはエアコンの購入から10日以上経ってから。
サービスマンが自宅に到着して、エアコンのスイッチを入れまずは家の外で聞こえる音も確認してもらいました。
窓用エアコンも通常のエアコンと同じく屋外にも運転音が聞こえますが、今回購入したCW-1623Rは甲高い音が外にも漏れている症状が確認できます。
続いて、家の中に入り窓用エアコンを設置した部屋に案内し機器を見てもらいます。
点検に来ているサービスマンは、メーカーと直接契約している地元の業者さんと思われますがいろいろ諸事情あるのでしょう。甲高い音が確認できても余計なことは言わずにエアコンの外側のケースをあちこち押さえながら音に変化がないかチェックし始めます。
音の質が樹脂系部品のビビリ音を想像させる質のものなので、ケースを押さえてみたと思われますが、どこを押さえても収まらないので音の原因は内部のコンプレッサーに近い部分にありそうです。
少々悩んだようですが、ネジ止めされているエアコンの正面カバーを開けて内部を確認しますとのこと。
新品のエアコンから出ていた音は、やはり通常の運転音ではなかったようです。
一度窓からエアコンを下ろしてカバーを開け、更に本体下側を覆っている金属のパネルも外すと中のコンプレッサーが現れます。
この状態で冷房運転をして振動の原因を探っている様子。
原因とおぼしき部品の(何本かある縦に配置された銅製のパイプのうちの1本)角度を調整したように見えますが他にも何かチェックした模様です。
本当にそんなので音が止むのか疑問でしたがコンプレッサー部分を覆っていた金属のパネルを戻してしばらくしても音の再現はない様子。
※画像は訪問したサービスマンがカバーを外したところ。購入者が自ら外したり処置をすると保証の対象外になります。
本体のカバーと固定ネジを元に戻してから窓に戻して運転を再開し数分様子をみますが甲高い音は治まってくれたくれたようです。
一連の作業では、音の原因は簡単に特定できたわけではなく、おそらくこの辺か?と見当を付けて部品の配置を調整したという感じです。
消費者であるこちら側として心配する「良くある初期不良」ではなく、今回のケースは希にある不具合なのかと思われます。
なお、今回お世話になった電話口のメーカーサポート担当の方、機器を点検してくれた技術者の方ともに良心的な対応をしていたでけました。
コロナCW-1623Rを使ってみた感想
そんなわけで、やや面倒な手順を経てようやく実運用にたどり着けたコロナの窓用エアコンCW-1623R。
その後、冷房運転をしてみての感想です。
購入して良かった点
コロナのCW-1623Rを購入して良かった点は、やはり設置が簡単で作業が短時間で済んだことですが、ネットの情報には惑わされず2~3時間、できればそれ以上時間をかけて落ち着いて取付けを行ったほうが良いと思います。
取付が簡単な分、設置費用や関連部品の追加購入もパテのみだったので本体価格も含め本機のコスパ的なメリットは優秀であると評価できます。
また、コロナのウインドウエアコンは日本製なので、その点は今回のサポートの体験からも安心して使える製品であることが実感できました。
窓用エアコンのイマイチなところ
CW-1623Rのメリットだけを取り上げると上に書いたとおり、「簡単、安い、安心」が揃った製品だと言えますが、CW-1623Rを含め窓用エアコンにはデメリットも多く存在します。
今回、処置してもらった運転音は例外的なものでしたが、窓用エアコンはどれも冷房時の運転音が高めで静かではありません。
自分では「こんなにうるさいのか」と思っても、そのくらいの音は普通だと判断される場合もあるかと思われます。
購入前に少しでも気になる方は、最初から通常の室内機、室外機に分かれたタイプのエアコンを見当された方が良いでしょう。
また、窓用エアコンの設置には窓の木部に穴をあけたり加工が避けられません。
サイズが適合すれば、たいていの窓には取付が可能のようですが、すき間を埋めるには窓の形状に応じて工夫が必要です。
雨水や虫の進入を避けるためには据え付け説明書の記載以外にも対処が要ることでしょう。
肝心の冷え具合についても、個人的な感想ではありますが部屋の広さに見合った機器を選んだつもりでも窓用エアコンは吹き出し口も小さくルーバーも手動なので、壁掛け式に比べ部屋全体が冷えたと感じるまで時間がかかるように感じます。
CW-1623Rはこんな人向けのエアコン
壁掛け用ルームエアコンとの比較や実際に使用してみた感想から、CW-1623Rはコスパに優れたルームエアコンではあるものの安心して使用できる人は限られそうです。
- 設置場所に必要なネジ止め用の穴開けが許される
- エアコンを冷房運転にしか使わない
- 近所に音の影響がない(設置する部屋が隣の家と離れている)
- うるさい場所でも寝れる鋼メンタルの持ち主
- メーカー指定の設置条件をクリアできている
こまかく上げると切りがありませんが、こうしてみると全ての条件に当てはまる人は少数派かもしれません。
CW-1623Rはネット販売だけでなくホームセンターなどでも購入できる一般向けのモデルです。
取付け作業も簡単ではありますが、他のエアコンと比べ対照的な制約が係わってくるようにも感じられます。
もっとも、これらの条件に該当する居住環境というのは戸建ての住宅で元から過ごしやすい条件が整っていて、ある意味満たされた環境なのかもしれません。
多少の物音も気にせず寝られる方というのも羨ましく思います。
私が今回エアコンの選定に窓取付タイプを選んだ理由は、やはり導入コストを優先したのと、壁掛け式にした場合に部屋の外側に水道のメーターや給湯器など他の設備があって室外機の置き場所を決めにくかったことです。
もちろん完全に室外機が置けないほどではありませんが、今回取り付けたCW-1623Rは設置後に少々手間がかかったのと、改善後にも本来からある窓用エアコン特有の音との付き合いは避けられず、今後もどれだけ使いこなしていけるものなのか楽しみではあります。
音が気にならない人にとっては優れた冷房機器となる窓用エアコン。その満足度は使う人がどれだけ庶民派寄りであるかを示す尺度にもなりそうです。
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