使い古したエアコンを自分で取り外して処分したい。
または、エアコンを別な場所に移設する目的などで現在の設置場所から取り外すには、まず室内機に入っている冷媒ガスを室外機側へ回収する作業が必要になります。
※エアコンのガス回収については冷凍機及び高圧ガスの取り扱いに関する知識と作業の実経験が必要になります。実際の作業は専門業者へ依頼してください。
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入れ替えが決まったらガス回収
ルームエアコンの冷媒ガスを室外機に回収するためには、エアコンの冷房運転を使用します。
エアコンが古くなった、最近少し調子が悪いと分かった時点でガスの回収をしておかないと実際に壊れてしまってからでは冷媒ガスの回収を簡単にできなくなってしまうので注意が必要です。
なお、今回行った冷媒ガスの回収は設置当初に配管の延長などよるガスの補充を行っていない機器で標準のガス量のみ回収を実施しています。
ガス回収作業に必要なもの
エアコンの冷媒ガスを室外機に回収するには、室外機のバルブにあるカバーを外すためのスパナと、バルブを閉じる操作に六角レンチを使います。
他には、回収作業の経過や完全にガスが室外機側へ収まったことを確認するために専用のゲージマニホールドという工具が必要です。
冷媒ガス回収作業の手順
室外機にあるバルブ3カ所についているカバーをはずします。
サービスポートにチャージバルブを介してゲージマニホールドの青いホースを繋ぎます。このときチャージバルブのツマミは反時計回りに回し切ったまま(OFF)の状態です。
ポンプダウンの解説の後にホース内の真空引き(ポンプダウン前の作業)について補足説明を入れています。
移設して再利用したい、または安全の為わずかな空気も室外機に取り込みたくないときには有効かと思われます。
室外機へ冷媒ガスを回収「ポンプダウン」
先に真空引きを行わない場合、ゲージマニホールドのバルブは赤・青両方とも閉じたままで使用します。真空引きのときも赤の高圧側は閉じたままで操作しません。
ゲージマニホールドのバルブが閉じていることを確認し、チャージバルブをサービスポートに取り付けた後にツマミを時計方向へ回しこみます。このときゲージの針が動き指示値が上昇していることを確認。
冷媒ガスの圧力が確認出来たら室内機側で強制冷房運転を行います。
強制冷房でコンプレッサーが動き出したら先に液管(送り側)のバルブを六角レンチを使って閉じます。
すぐにゲージの圧力が低下し始めます。1~2分程度で指示値が0を指したところでガス管(戻り側)のバルブを閉め室内機の運転を停止します。
チャージバルブのツマミを緩めて、サービスポートからチャージバルブを取り外して3つのキャップを元通りに取り付けます。
停止した室内機の電源プラグをコンセントから抜いて室外機のケーブルも外してテープ巻きしておけば誤操作が防げます。
これで冷媒ガスが全て室外機内へ閉じこめられた状態になり、エアコンの取り外しや移設が可能になります。
チャージホースの真空引きをする場合
先に説明したとおり、ポンプダウンによりチャージホース内の空気を室外機へ入れたくない場合はポンプダウン前に次の工程を済ませておけば心配ないかと思います。
ゲージマニホールドに真空ポンプを接続し、ほんの数秒だけポンプを動かします。
連成計がマイナスの表示になったらゲージマニホールドの青(Low)のバルブを閉じて真空ポンプを止めます。
これで青いチャージホースの中が真空状態にできました。ポンプを停止後でも連成計がマイナス表示のままであることを確認します。
このホース内の真空引きは推奨しているサイトや動画は少ないですが、こうした対処をしない限りゲージマニホールドを繋ぐたびに機器内に少しずつ空気が入ることになります。
ポンプダウンに戻る>>室外機へ冷媒ガスを回収「ポンプダウン」
室外機でのバルブ操作
ポンプダウンのイラストで説明した室外機のバルブ操作を画像で確認すると次の通りになります。
室内機を強制冷房運転したあとに液管側のバルブを六角レンチで時計回りに回して閉じる。
圧力が0以下になったらガス管側も同じく六角レンチで全閉にして強制冷房をOFFにする。
エアコンのメーカーや機種によりバルブの位置や構造は多少異なるかもしれませんが、基本的な操作はそれほど変わりありません。
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