DIYで挑戦する冷媒管のフレア加工【格安ツールはどこまで使える? 】

冷媒管用の格安フレアツール

ルームエアコンのDIY設置に挑戦する際に避けて通れない難関の一つに冷媒管のフレア加工があります。

このフレア加工の実際の難易度がどの程度のものなのかは、自分で体験してみなければ全く見当がつかないといったところでしょう。

この記事では、ネットで売っているフレアツール(フレアリングツール)を使っての作業性や完成度がどの程度かを検証してみました。

格安フレアツールで冷媒管のフレア加工

冷媒管の接続部を加工するフレアツールは、ネットで作りが単純な格安品が購入可能ですが他の製品と比べると作りが簡単実際の作業に使うには不安を覚えることでしょう。

フレアツールの先端

この先端がキレイに仕上がっていることも重要

これからエアコンの取り付けに挑戦したい方へ格安フレアツールは正直お勧めできる工具かどうか微妙なところ。

しかし、私自身はこの冷媒管の接続には格安フレアツールしか使ったことがありません。

実際に使用したのはR32冷媒ガスが普及し始めたころなので5年ほど前だったでしょうか。

当時使用した格安フレアツールで加工した冷媒管からガス漏れはなくエアコン本体も問題なく稼働しています。

施工にはナイログなどの類は使っていません。

冷媒管用の格安フレアツール

有名メーカーの工具ではないことと国内生産品でもないので製品ごとに個体差があって当たりはずれも警戒しなければならないとは思います。

この工具の表面には適用サイズが刻印されていて「1/2・7/16・5/16・1/4・3/16・3/8・5/8」の7種類のサイズがサポートされています。

家庭用ルームエアコンであれば1/4と3/8あたりが必要なサイズ。(要説明書確認)

似た形のフレアツールで整数(ミリ単位)のみの刻印があるものは、冷媒配管用としては使えないサイズのものです。たまにフリマアプリなどで見かけますが間違えないよう気を付けましょう。

フレア加工の実践例

専門的である程度のテクニックが求められる現場作業では、初心者ほど良い工具を使ったほうがイイと言われることが多く冷媒管の接続についても例外ではありません。

しかし、ことがDIYによるエアコンの設置となると準備する工具がフレアツールだけでは済まないでしょう。

DIY作業でも失敗しない自信がある方なら挑戦してみる価値くらいはありそうです。

以下にフレア加工の主な流れを解説しますがDIYで初挑戦という方は、ここでの解説のみに頼らず他の資料や情報に目を通し練習を積んでから実際の作業に望まれることをお勧めします。

冷媒管の切断とバリ取り

パイプカッターと銅管

※設置に使用しないので保温材は剥がしてあります

冷媒管の切断に使用するのは工具はパイプカッター。

パイプカッターに冷媒管をセット

パイプカッターを冷媒管にセットして、グリップを少しずつ回しこみながらパイプカッターを回転させます。

切断後の冷媒管

切断された冷媒管

冷媒管の切断面はバリ取り用の工具を使ってバリを除去しておきます。

このときバリを除去したくずがパイプの中に入らないように注意が必要です。

フレアを作る前にナットをセットする

なお、練習の時からバリ取りが終わったらすぐナットを当しておく癖をつけておきましょう。

作業に夢中になっていると忘れがちです。

切断面のフレア加工

バリの除去が済みナットを通したら冷媒管をフレアツールにセットします。

冷媒管の先を少し出す

サンプルに用意したのは3分管(太いほう)ですので3/8の場所にセットします(2分管は1/4の場所を使って加工)。

このとき工具から冷媒管の先端が少し出るように調整します。

フレアツールで加工する

フレアツールの冷媒管に押し当てる部分をセットするときに中心がずれていないか注意して固定します。

工具のハンドルを回しこんで冷媒管の先端を広げていきます。

フレアツールで圧力を加えた銅管

回転が止まるところまで回した後に緩めて冷媒管を取り出します。

フレア部分に割れや傷、幅の偏りやムラがあれば失敗なので切断してやり直しです。

工具の扱いには繊細さが必要

加工後の冷媒管

銅管の外側の傷は使い込んでいるパイプカッターを使ったことでついてしまったものです。

冷媒管がナット内に収まるように

フレア加工した部分の径が大きすぎると画像のようにナットに収まらないので適正な大きさに仕上げるためにも練習が必要です。

この手のフレアツールは雑に扱うと斜めに加工されたり大きさが足りなかったり上手くいきません。

特に扱うのが初めての方の場合、慣れるまで練習が必要だったり、どうしても上手にできないときは別な工具を使うべきでしょう。

作業不備によるガス漏れを生じさせないためにも気を使いたい部分です。

一度使てみると職人がメーカー製の工具を推奨する理由が分かるでしょう。

格安フレアツールでは、工具本体の仕上がりが精密でない代わりに扱う人に繊細さが求められるようです。

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