以前所有していた三菱車「eKワゴン」のプラグ交換作業を行ったとき、プラグホールの形状が特殊でプラグレンチの買い直しを迫られたことがありました。
H82Wのプラグ交換にはソケット部分の金属の厚みがなく細いタイプの物を使用しないとプラグが外せない構造になっています。
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三菱車用プラグレンチの特徴
H82W_EKワゴンに使用していたのは16mmサイズのプラグレンチです。
このプラグレンチは他社の16mm用として使えますが、逆に三菱の車では(これを使っていたときはそうでした)この僅か数ミリ細い形状のレンチでなければメンテナンスのためにシリンダーヘッドからプラグ抜くことができません。
普通の16mmのものと比較してみます。
左が他社の車で使えるプラグレンチで右が三菱車用。
三菱用のは全体がプラグにかける先端部分より細く仕上げられています。
薄型レンチの円筒部分の径を測ってみると約18mmという細さ。
先端のソケット部分は約20.1mmでした。
これよりも細いものはプラグ交換に使えそうにありません。
eKワゴン(H82W)のプラグホール
作業を行ったときのeKワゴンのプラグホールです。
小さくて分かりにくいですが、ダイレクトイグニッションが差し込まれている穴の手前側に突起が見えます。
通常の太いサイズのレンチではこの突起に当たってプラグを回す為のナット状の部分にレンチの先が当たりません。
画像を拡大してみると、ほんの1、2ミリ程度の出っ張りがあるのがわかります。
他サイトの情報によればプラグを回せても表に引き抜く際にこの突起に引っかかってしまうと、プラグレンチごと抜けなくなり車を動かせなくなってしまうなんていう話がありました。
実際にそこまでなるのは工具の形状等も含め余程条件が悪い場合と思われます。
いずれにしても、H82Wのエンジンでは、三菱車用に作られた16mmサイズのプラグレンチでなければ交換も含めプラグのメンテナンスは不可能でした。
一般の同じ16mmサイズと比較
バイク用に使用していたハンドルの角度が自在に動くタイプの16mmも所有しているので、3つ並べてみましたが、三菱車用だけ極端に細いのが分かります。
当初、この取っ手付きの物(このタイプの物はトルクレンチが使えませんが)を使い交換を試みましたが、プラグホールの突起に当たった部分に黒っぽい傷が付いています。
プラグホールの中で正体不明のコブに引っかかっているのが分からず。回し続けていたため表面を周回して傷が入りました。
なぜプラグに特殊工具が必要なのか
こうした肉薄プラグレンチのような特殊工具が必要になる意味は、プラグ交換の際は販売店へ依頼してくださいというメーカーからのメッセージと受け取って良いと思いますが、三菱車といえば最近になって信頼が回復できてきたかというところでしょう。
メンテナンスを自分でしたいユーザーにとって、こうした罠を仕掛けたようなエンジン構造は、とても印象が良いものではありません。
現行モデルの車両が未だに、このプラグホールの形状を受け継いでいるのか知りませんが、できれば表向きに見える部分の保守工具くらいは普通に流通している製品で対応できるようにしてほしいものです。
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