古い和室にルームエアコンを設置【縦桟使用、欄間窓へ冷媒管を通す】

縦桟を使ってエアコンを取り付け

新築から50年ちかく経過した古い住宅の和室にルームエアコンを新設してみました。

古い和室では、最近の住宅やアパートの部屋と比べ壁へのアンカー止めや冷媒管用の穴あけが難しいケースが珍しくなく、今回も室内機の固定には「縦桟」と呼ばれる専用の器具を使い、室外機へのケーブルや冷媒管の接続には既存の欄間窓を利用する方法で施工しています。

当記事ではDIYで行った和室へのエアコン設置作業に関する一連の流れについて書いています。

なお、以下の設置例は他の住宅に共通して参考になるものではなく、使用できる機器や材料はそれぞれの住宅環境で異なりますのでご注意ください。

取り付けを予定する住宅の状況

今回、新しくルームエアコンを設置する部屋は和室の居間です。

エアコン設置を予定する和室の壁

設置位置は隣の部屋との間にある襖の上を予定。

ここ以外も検討しましたが室外機まで距離があったり、収納スペースが邪魔になったりで、この辺は設計時から後付けでのエアコンの配置まで考慮される最近の住宅と比べ設定が難しいところでしょう。

欄間窓から冷媒配管を屋外へ

上側の障子は開けたままになる

冷媒管を通す欄間窓

屋外へのケーブルと配管のルートは障子とサッシにある欄間窓のを通す方法になります。

室外機を置く場所

既存の室外機の右に新たにもう一台設置

室外機の設置場所は軒下にあるコンクリートの犬走りの上を予定します。

縦桟を使ったエアコン室内機の設置

室内機を設置したい場所の壁は最近のボードにクロス張りではなく塗り壁です。

中空壁用のアンカーなども使えそうにないため、和室へのエアコン設置に良く使われている縦桟を使用することにしました。

室内機の固定に用意した機材

壁へ室内機を固定するために用意したのは製品名が「タテ桟」として売られているものです。

タテ桟「C-TSG」

この縦桟は内外に二重に重ねられた部材を伸縮させる形で使用場所にサイズを合わせることができるようになっています。

用意した「タテ桟」では、その外側の部分を上に向けるのが基本的な使い方のようです。

この縦桟の表面に2列に並ぶネジ穴の左側は縦桟そのものの伸縮を固定するもので、右側が室内機の下地を固定するために使われるようです。

排水ドレン管の差し替え

今回、エアコンの室内機を取り付けるに当たって特別に気をつけたのはドレン管の付け替えです。

室内機側ドレン管を左に差し替え

室外機へ配管をのばす方向が本体の左側なので、初期状態の右側とは異なりドレンのホース位置を変える必要があるのですが、初めて扱う縦桟に気を取られてしまう前に、この付け替え作業を済ませておくことにしました。

MSZ-GE2222室内機の本体裏

設置する室内機の内側

また、冷媒管とケーブルも同じく左側面から出すことになるのでカバーの側面にもうけられている「切りかき」部分も抜いておくことにします。

縦桟の取り付けと室内機の設置

室内機本体の下準備を整えたところで縦桟の取り付けにかかります。

縦桟を周り縁へ取り付け

設置場所の左右の中心位置は既存のテーブルや人が座る場所、用意した冷媒管の長さに見合う最適な位置に定め、そこを基準に下地金具のねじ穴が適合する場所に縦桟2本を配置。

縦桟に下地プレートを取り付け

今回は配管を左方向へ出すので下地パネルの取り付け高さには右だしに比べ余裕が必要でした。

室内機へ冷媒管を接続

トルクレンチでフレアナットを締める

室内機と冷媒管の接続には画像のように窮屈な体勢で行うことになります。

このとき、冷媒管とケーブル、ドレンホースは予定していたルートで設置する資材を通し屋外から引き込んでおきました。

VVF2.0mmを接続

ケーブルを所定の位置に差し込み、冷媒管に保温材を巻いたあとドレンホースを別売り品で延長させたら室内機の下側の爪を下地パネルに差し込んで固定させます。

欄間窓のサッシを使って冷媒管を配置

欄間窓のサッシを使って屋外へ配管

室内機からへ接続した冷媒管は欄間窓のサッシを通して屋外へ出し室外機へ接続します。

アルミ窓パネルC-MP4-S

開いた窓には別売りのアルミパネルを入れていますが適正なサイズを選定する必要があります。

今回使用したものは施錠を可能にする補助具がセットされたものでした。

霧ケ峰MSZ-GE2222

設置が完了した室内機

冷媒管とドレンホース、VVFケーブルを束ねてテープ巻きをした後に屋外側には化粧カバーを取り付けましたが曇り空に微風が吹き始めたので写真を撮る余裕なく室内機への配管接続を急いで終わらせることにしました。

室外機へ冷媒管を接続

画像では室外機の接続部までテープ巻きをしていませんが、雨が降らないうちにフレアナットをトルクレンチで締め付けます。

トルクレンチの使用に室内機側は念のためモンキレンチを使って押さえながら締めています。

今回使用したペアコイルは必要な数量(5メートル)分を指定して購入しそのままの長さで使用したので、銅管の切断やフレア加工は行わずフレア加工済みのペアコイルをそのまま使用しています。

真空引きテストの実施

雨が降り出す前に室外機へ冷媒管の接続ができたものの、真空引きをするタイミングでは軒下にも少量の雨がかかる状況になってしまいました。

サービスポートへホースを接続

チャージバルブを使用してサービスポートへ接続

ゲージマニホールドのホースをチャージバルブを介してサービスポートに接続した後に真空ポンプにもホースを接続。

真空引き作業を実施

真空ポンプを運転して真空引きを行います。

15分ほど運転してからバルブを操作して真空ポンプを停止。

数分間テスト後ゲージが-0.1MPaのままなことを確認したあとチャージバルブをOFFにしてサービスポートから取り外します。

あとは液管とガス管それぞれのストップバルブを4mmの六角レンチで開いて施工した冷媒管と室内機へガスを通して作業は終了になります。

今回取り付けた機種は三菱電機の霧ケ峰MSZ-GE2222で6畳用のモデルでしたが、冷房運転では程よく屋内が冷えてくれてました。

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